<一日一書>No.2(百八十)「物は考えようだ!」

『今日は土曜日。
 天気は晴れ。』
 
 さて、今日の話を始めよう。

 
  考えて見リャ、俺っちはョ!結構、恵まれてるって言えるのかねぇ?

 いや、金のしんぺぇはあるよ。何たって仕事がネェーンだから!あと二年も経ちゃあ、この家から放り出されるかも知れねぇーんだからな。

 でもよ、癌とか何とか、死病(しにやまい)ってわけじゃねぇーから、運が向いて来りゃあ、また、何とかなるかも知れねぇーしな!やることなくて困ってるってわけでもねぇしよ。

 書くことは、いっぺぇあるのよ。この間、頼まれた社内研修講義の内容を書き留めて置くことも出来るし、やっといた方が良いかもしれない。曰く「仕事とは、あなたにとって何ですか、どんなものですか?-ひとりの昭和一桁生まれ男、自らの体験を語る」ってな具合さ!

 自分じゃ、どうかな?って思ってたけど、思いの外、好評だったみたい。つまり、ちょっとだけ先を歩いて来た人間の体験も、案外思わぬことに役立ったりするのかも知れない。

 だから、或る時代を生きた一般人の記録も、時を経てみれば、それなりの存在価値が出て来るのであろう。それ故、私には自分の生きて来た記録を残す務めがある、と言うことだろう。

 そう考えりゃあ、「何故、金が無くなっちまって貧乏する破目になったか?」だって十分書く意味が出て来る。そう思うと、益々楽しくなって来る。